2000年前後に若者を中心にムーブメントを起こした格闘技。
年末の番組でも紅白歌合戦の視聴率を抜いてしまうなど、K-1やプライドなどはすさまじい人気を博していました。 プライドの創設は1997年ですが、その創設当時から「剛腕」としてPRIDEの看板を背負っていたのがゲーリー・グッドリッジです。 テクニカルな攻撃などはあまりありませんが、剛腕で対戦相手をなぎ倒すその圧巻なファイトスタイルは日本でも多くのファンを生みました。 グッドリッジが引退してもう数年が経ちますが、トリニダード・トバゴが生んだ剛力の現在を追いました。 |
ゲーリー・グッドリッジがPRIDEで活躍するまで
*画像出典:https://gbring.com/
現在50代になるPRIDEの番人と呼ばれた剛腕。
剛腕と言われるのも理由があって、実は格闘家になる前はアームレスリング(腕相撲)の世界チャンピオンだったんです。
カナダ人の血を引きながらトリニダード・トバゴで生まれ育ったゲーリーグッドリッジは、身長は185㎝を超え体重は常に100㎏もあり、その恵まれた体格と天性の力自慢を使ってアームレスリングのチャンピオンになりました。
そのままボクシングの道に進むのですが、アマチュアでカナダ王者になるとそのまま総合格闘技の世界に。
*ゲーリーグッドリッジはトリニダード・トバゴとカナダの二つの国籍を持っています。
1996年にUFCというアメリカの総合格闘技に参戦。
PRIDEに参戦するまでにUFCでドンフライやマークコールマンなどのプライドでも有名な選手とやりあっていますが、UFCでは敗北しています。
IVCという総合格闘技トーナメントでは優勝しており、その実績をぶら下げて1997年10月のプライド開幕で参戦し、見事勝利でPRIDEデビューを飾りました。
総合格闘技での活躍とファイトスタイル
無鉄砲で豪快なファイトスタイルは日本の格闘技ファンを虜にしました。
剛腕を武器に腕を振り回しながら破壊力満点のパンチは、PRIDEやK-1でも無類の威力を誇りました。
驚きのKO率と、驚きのKOされ率。
とにかくグッドリッジの試合は早く終わることで有名でした。
ガードもほとんどしないため、グッドリッジが殴り倒すか、逆に倒されるか。
実はUFCに参戦して、PRIDEやIVCも含めて、総合格闘技を始めて15試合連続で1ラウンドで試合が終わっています。
中には疲れによるギブアップもあったり、TKOされることなどは少ないのですがバテてしまって疲労でタップするといった具合・・・
総合格闘技で初めての2ラウンド突入はPRIDEでの小川直也戦だったのですが、2ラウンド始まってたったの36秒でアームロックによってギブアップ。
総合格闘技の公式戦は45試合していますが、なんと判定勝ちはたったの1回だけ・・・
判定になればほとんどの確率で負けてしまうという、スタミナの無さと豪快さであれば総合格闘技史上、ナンバーワンプレイヤー間違いなしの選手でしたね。
力任せに闘うスタイル!これこそグッドリッジの良さですよね。
このアビディとの一戦は、K-1の歴史の中でもトップ10に入るほどの激闘と言ってもいいのではないでしょうか。
キックボクシング、K-1では負け越し
とにかくスタミナがないので避けるのが上手い相手だったり、ガードばかりされると試合が長引いて勝ち星に恵まれませんでした。
といっても結構相性があって、マイクベルナルドやシリル・アビディなどの強者には勝利している反面、トーナメントに勝てない時代の佐竹に負けているなど、どちらかというとテクニシャンに弱い印象でした。
*動画引用:Youtube
↑マイクベルナルドには通算で1勝1敗。
本当にグッドリッジはいい試合をしますね。
ローカルコンバットも含めたキックボクシング時代は、公式戦では大きく負け越しています。
ちなみになんですが、相変わらず判定まで行くとめっぽう弱くてキックボクシングも判定勝ちは一度だけでした。
英語サイトでも戦歴は紹介されています。
引退後のゲーリーグッドリッジ
2010年の総合格闘技での試合を最後に引退したグッドリッジですが、引退の前は総合格闘技で7試合・キックボクシングで10試合も勝ち星に恵まれませんでした。
抜群の知名度があったので、ファイトマネーが良かったものの、本人はパンチドランカーの影響もあって引退を決意。
ゴジラFinal Warsという日本の映画に出たこともあったので、俳優の道もありましたがやはり自分のジムを開設。
腕相撲の前はウエイトリフティングをやっていたグッドリッジですが、格闘技のジムを開いたので、やっぱり格闘技が好きなんだなと思いますね。
パンチドランカーの状況は?
グッドリッジがパンチドランカーであるというのはファンの間では有名な話。
ではパンチドランカーとは??
ボクシング認知症または慢性外傷性脳症と呼ばれる病気で、ボクサーや格闘家がなる病気。
パンチなどを大量に浴びた結果、脳に傷害が残ってしまい、重度になれば生活をできるレベルではなくなります。
魔裟斗選手がこのパンチドランカーになることを恐れて、早めの引退を決意したことで有名。
実際、2014年にMMAプラネットの取材でグッドリッジは「俺のパンチドランカーはそんなに重症じゃない」と語っています。
インタビューもしっかり受け答えしているばかりか、取材中には日本語もたくさん披露したのでかなりの軽度なものだと思われます。
ジムの経営などもあるので、重度だったら無理でしょうね。
現在のゲーリーグッドリッジ
グッドリッチのTwitterより
こちらの画像は2022年のグッドリッチ。
かなり歳をとった気がしますね。
ゲーリーグッドリッチは現在、カナダに在住しながら格闘技の指導を行っています。
愛犬と家族と楽しく暮らしているのですが、先述のパンチドランカーの薬は今も飲み続けているそうです。
ビッグダディファイトチームというクラブを結成していますが、実はグッドリッジは昔からビッグダディと呼ばれていました。
日本にも同じ呼ばれ方の人がいますが・・・
現在はまだビッグダディファイトチームから有名選手は輩出されていませんが、今後は期待ですね。
あと、パンチドランカーについてなどを取材したアメリカの番組をみつけましたので、どうぞ。
完璧にパンチドランカーを克服するのは難しそうですが、立派なジムを持っているので今後も格闘技界を盛り上げる活躍を期待したいですね。
最後にグッドリッチのTwitterから現在のグッドリッチの動画も見つけたので、どうぞ。
Love and respect always. pic.twitter.com/1HILAa2fTt
— Gary Goodridge (@garyhgoodridge) September 1, 2022
もう60歳近いのに、まだまだ強そう。。
パンチドランカーとは言えないほど、ハッキリしています。
グッドリッチのTwitterでは、かなりの頻度で最新情報を配信しているので、英語が得意な方は是非どうぞ。
グッドリッチのTwitterは→こちら
こちらは2024年9月頃の写真です。
もちろん左がグッドリッチ。白髭が老いを感じさせますが、お顔も相応に歳をとった感じがしますね。
他の投稿を見てみても、パンチドランカーに陥っている雰囲気は全くありません。
本人もパンチドランカーを認めていたので、復活というか再起したような感じでしょうか。
以上、格闘技ファンなら誰もが知っているグッドリッチの現在でした。
新しい情報が入り次第、更新します。