セーム・シュルトは現在、経営者に!引退後と病状について

総合格闘技からK-1選手に転身し、見事に世界チャンピオンに輝いたセームシュルト。

重量級のK-1選手で史上最強の呼び声も高く、2m12㎝の大男は病を理由に突然引退しましたが、現在の活躍が素晴らしいので是非ご覧ください。

セームシュルトの全盛期時代

*画像出典:ファイトゲームアカデミー

1973年10月27日生まれ、オランダ出身。

日本では「セームシュルト」と呼ばれていますが、オランダでは「セム・スヒルト」、英語では「セミ―シュルト」と呼ばれます。

オランダ人でありながら両親とも極真空手をやっていた影響もあり、8歳で極真空手を始めたシュルト。

極真には色んな団体がありますが、芦原会館では6段、極真武道会では9段という上位の段位を持っている空手家です。

20歳の頃にはイギリスの極真空手の大会で優勝。
その後もロシア、オランダなどで開かれた大会で優勝を飾り、1996年に日本に格闘家として乗り込んできました。

日本では空手の大会と同時期に総合格闘技のパンクラスに出場

212㎝という巨体でありながら素早く力強い攻撃で鈴木みのる、舟木誠勝などのトップ選手を撃破し、日本格闘技界で名を上げていきました。

PRIDEなどの全盛期だったこともあり、総合格闘家として一躍有名になったのですが、本人は根っからの空手家。

遂に2002年に念願のK-1デビューが決定します。

K-1では4回のチャンピオンに

総合格闘技での戦績も通算で26勝14敗と、大きく勝ち越していましたが、空手家であるシュルトはK-1デビューを熱望していました。

2002年4月にデビューが決定すると、同じく空手出身の武蔵といきなりK-1デビュー戦であたり、判定で勝利。

その後もコンスタントに勝利を重ねると、2005年のK-1 WORLD GPという世界一を決定するトーナメントに初めて駒を進め、見事初優勝を飾ります。

更に、翌年2006年の世界大会も優勝すると2007年、1年越して2009年も世界一となり、重量級での4回のチャンピオンとなったことからも、もはやK-1史上で最強と言われるようになりました。

格闘技好きならご存知のヤン・ザ・ジャイアント・ノルキアや、チェ・ホンマンなど長身の巨体なファイターと言うのは、俊敏性やテクニックよりもリーチを生かしたパワーで攻撃するタイプが多かった印象。

しかし、シュルトの場合は、パワーとリーチの長さに加えて技術と俊敏性も備わっており、誰もシュルトを倒せないという雰囲気が漂っていました。

2010年はピーターアーツに準決勝で判定負けを喫してしまいましたが、引退するまでシュルト最強説は継続。

事実、Dreamでの試合を含めるとキックボクシングは公式戦で43勝6敗という驚異的な戦績を収めています。

しかし、そんなシュルトでもどうしても勝てない敵が現れます。

2013年に心臓病を理由に勇退。

2012年12月31日。

GLORY GRAND SLAMヘビー級トーナメント2012で優勝候補だったダニエル・ギタを決勝戦で1ラウンドKOして(ハイキックでKO)、ワールドグランプリ5度目の世界王者になったセームシュルト。

その後もシュルトの時代はしばらく続くのかと誰もが思っていましたが、6月に公式で突然の引退が発表されました。

10月にはグーカン・サキとの防衛戦も控えていながら、心臓病を患っていたことでドクターストップがかかったのです。

快進撃を続けている最中での突然の引退・・・

通常、格闘家の引退はケガによるものか、体力や実力の衰えによるものですが、まだまだ現役続行を希望していたシュルトにとって、苦渋の判断だったに違いないです。

複数の医師に診断してもらい、どの医師からも引退を強く勧められたこともあり、絶対王者と言われたまま勇退することになりました。

ヘビー級で5度の世界王者、9割近くの勝率を誇り、王者になったまま引退したことで、史上最強のK-1ファイターと言われているんですね。

それでは、引退後のシュルトの活動に迫ってみます。

現在のセームシュルトは大規模なジムの経営者!

*画像出典:シュルトのジム公式HPより

2013年の6月に引退を公式で発表したシュルトは、その後オランダでしばらく休養。

心臓病は大事には至らず、試合を行うような激しい運動やトレーニングを避ける生活を強いられてしまいました。

しかし、2014年にファイトゲームアカデミーという本格的な格闘技ジムをオープン。

オランダ語ですが、ホームページはこちら→https://fightgameacademy.nl/

ファイトゲームアカデミーの場所はオランダのザイドラーレンという人口1万人程度の小さな町に位置しています。
オランダの首都アムステルダムから北東へ100㎞以上離れている田舎町なんですが、シュルトがオーナーを務めていることもあり、生徒は子供から大人まで男女問わず多数いるようです。

シュルトはオランダ南西部の街ロッテルダム出身ですが、北西部のザイドラーレンにジムをオープンしたのは、何か理由がありそうです。(理由に関しては不明でした)

ファイトゲームアカデミーでは、シュルトが自らキックボクシングと極真空手を指導。

さらに、ヨガ、柔道、フィットネスなどのオランダ人スペシャリストも揃えていて、幅広くジムとして展開中です。

アカデミーというだけあって、ワークショップやクリニックなどの色々なプランも用意。
オランダのスポーツ関連の財団とも連携しており、かなり充実したプロジェクトも定期的に発案しているようです。

キックボクシングのプログラムはオランダ国内の中学校でも提供されているらしく、3連覇を含む5回も世界チャンピオンになったシュルトの影響力は健在。

ジムの雰囲気も凄く良いらしく、オランダの書き込みサイトでも評価が高いです。
写真もありましたので、ご覧ください。*真ん中にいるのが現在のセームシュルトです。

セームシュルトが実質オーナーを務めているファイトゲームアカデミーですが、そこから選手を輩出していきたいとも考えているシュルト。

2017年には、総合格闘技で世界最高峰のUFCで、アレキサンダー・ヴォルコフというロシア人選手のセコンドについていることも確認できました。

ヴォルコフは、ファイトゲームアカデミー出身ではないようですが、シュルトの指導を仰いでいる世界ランカーの選手です。

シュルトがセコンドについている試合では2メートル越えの選手を相手に勝利を収めており、「シュルトに比べると簡単な試合だった」とコメントしているので、現在もシュルトはまだまだ強いようですね。

【セームシュルトの現在のまとめ】

・オランダのザイドラーレンという小さな町で、大きなスポーツジムの経営

・一時期死亡説も流れたものの、心臓病は抑えられていて、健康状態は良好の様子

・UFCなどのトップファイターにも指導を行っており、セコンドにつくこともある

・現在のトップファイターでもトレーニングにおいてスパーリングでは歯が立たない

格闘技界が盛り上がるためには、史上最強と言われているセームシュルトの貢献は必要不可欠。

病気の心配もほとんどないようですので、今後も格闘技界を盛り上げる活躍を期待しています!